2008年06月26日

インストール:綿矢りさ

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綿矢 りさ

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蛇にピアス」と同時に芥川賞を受賞した綿矢りささんの、これはデビュー作。高校在学中に書き上げたこの本は、4人の審査員から大絶賛を受けて満場一致で文藝賞を受賞したそう。

ある日不登校になることを決意した17歳の女子高生が、小学生の男の子に誘われるまま、学校に行かない日中、男の子の部屋で風俗嬢になりすましてチャットのアルバイトをする、というストーリーです。

最初、読むのに苦労しました。なんか頭に入ってこない文体で。休憩いれながら読了しました。途中からは文体に慣れて、さらさらっと読めたけど。

いい意味でも悪い意味でも、若いなあという印象です。正直、大絶賛されるほどかなあ、とも思いましたが、きちんとまとまっているし、読んで日が経っているけど内容もちゃんと覚えているし、だからやっぱりすごいのかな、と思います。

このあと、「蹴りたい背中」で芥川賞をとっちゃうワケですが、きっと少しこれから苦しいかもなあ、と思ったりします。若いので、いろんなこと経験してがんばってほしいですね。
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2008年06月18日

ひげがあろうがなかろうが:今江祥智

ひげがあろうがなかろうがひげがあろうがなかろうが
今江 祥智
田島 征三
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厚さ5cmもある本。手のとるだけでもワクワク(^^)
パラパラとページを繰りながら流し読みすると、なんだか面白そう!
というわけで、予定外に借りてきた1冊。

私は読むのが遅いので、5cmの厚さの本はさすがに読破に時間がかかったけれど、勢いのある文体とぐんぐん展開する物語と、そしてダイナミックで元気のいい田島征三さんのイラストがステキな1冊でした。

時代小説とも昔話とも思える「ひげがあろうとなかろうと」は、山暮らしの父子の物語。父が子に、生きる術を教えていくやり方が、誠実で大人でカッコいい。自分はこんな風には子育てをしてこなかったなあ。最後はちょっと、苦い終わり方だけれど、それもまたよし。

同時収録されている「ひげのあるおやじたち」は、1970年に単行本としていったんは刊行され、人気で増刷もされたのに、一部差別的表現があるとのことで廃刊・絶版になっていたのだそう。「ちびくろさんぼ」みたい…。でも、そう文句をつけた組織の出版社からこうやって再刊行されることになったということは、誤解が解けたってこと、かな。一度葬られてしまった悔しさは、挿絵を描いた田島征三さんの日記ににじんでいました。さて、こちらは勧善懲悪風な痛快活劇。こっそりと能力を隠している人とか、下々の民衆が活躍するハナシって、「次はどうなるんだろう」とワクワク。

そのズンズン読ませる文章に、今江祥智さんってどんな人かなーと思っていたら、大好きな絵本「ぼちぼちいこか」の翻訳をした人だったとは!もっとこの人の本、読んでみよう。
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2008年06月04日

風花:川上弘美

風花風花
川上 弘美

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本屋さんで立ち読みして即買い。身につまされる内容で、どきどきわくわく。

夫に恋人がいることを知らされて、離婚するべきかどうか、心を乱されながら少しずつ自分を取り戻し、決断する女性の話です。同じ経験をしたので、苦くて痛い気持ちを持ちながらも読まずにいられない、そんな本でした。

それにしても。男は誰でも浮気するとか、よく聞くけれど、実際に自分の周りでダンナの浮気や女遊びが元でギクシャクしたりもめてる夫婦って、知らないなあ。私なんて、2回結婚して2回とも同じ経験してるのに。浮気しやすいタイプなのかな--;

主人公が家を出てアパートに引っ越してからの、小気味のいいこと。たぶん、また読むことでしょう。
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2008年06月03日

てのひらの迷路:石田衣良

てのひらの迷路てのひらの迷路
石田 衣良

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石田衣良さんも、気になっていた作家のひとり。テレビのコメンテーターなんかもよくやっていて、つかみどころのないしゃべり方が面白い人だなあ、と。

教育テレビで、作家が作品を作るまでを記録するという45分くらいの番組で石田衣良さんを取材しているのがありました。読んだら自殺をやめたくなるような物語、というのが与えられたテーマで、無作為に本の中から選んだ3つの言葉をキーワードとして使う、というのが条件。石田さんは、スケッチブックのような紙に思いついたことをフローチャートを書くようにサラサラと書き込んでいって、短時間で物語のプロットをまとめてしまいました。そのプロットに従って、集中的に短時間で物語をまとめあげていく姿は、なかなか興味深いものがありました。

「どの作品」と決めていたわけではないけど、たまたま図書館に残っていた石田さんの作品がこの「てのひらの迷路」だけだったので、これが私の“初石田”です。どこかのPR誌に連載したのをまとめた本で、原稿用紙10枚程度の短編を集めたもの。それぞれの短編の前に、石田さんのプチ解説も掲載されていて、どういうシチュエーションで書いたかとか、なにを思って書いたか、などが説明されています。それを読みながら本編を読むと、石田さんが物語をつむいでいくさまが想像されて楽しかったです。

テレビで「すばらしいですねえ」なんてコメントしている声のトーンで読み終えました。面白い人だなあ。もう少し、いろいろと読んでみることにします。
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2008年06月02日

蛇にピアス:金原ひとみ

蛇にピアス蛇にピアス
金原 ひとみ

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デビュー作のこの作品で、20歳で芥川賞を受賞してしまった金原ひとみさん。舌にピアスを入れたり背中に刺青を入れたりして、過激な性描写もあることが報道されて、読みたいような読みたくないような。そう思っていつも本棚を横目でチラチラしていたのですが、機が熟したので読みました。

最初は斜めから見下ろすような感じで読んでいたのが、途中から引き込まれて一気に読破。なるほど。なかなかグロテスクな物語。現代がグロってことか。救いがないような、それでも生は終わらないんだな。つらい中に強さのある小説でした。

そのあと、金原ひとみさんのインタビュー記事なんかを読んでいて知ったこと。彼女はあの金原瑞人さんのお嬢さんだったのです!なにが衝撃的って、この事実が一番です。涙でそうになりました、理由はよくわからないけど。感動でもないしショックでもないし、なんでだろう。そうかー金原瑞人さんのお嬢さんかー。

そうそう、この作品、蜷川幸雄監督で映画化されます。今撮影中?秋ごろ公開じゃないかな。肉体改造とか暴力とか、そういうのばっかりじゃなくて、きちんと内面を描写できるのかな、見てみたいような、観たくないような…。
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2008年06月01日

袋小路の男:絲山秋子

袋小路の男袋小路の男
絲山 秋子

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絲山 秋子さんのことは、何かの賞を受賞されたときの新聞の書評を読んで、いつか読みたいと思っていた人。エッセイを借りてきた時には挫折して読みきれなかったのだけど、「袋小路の男」はすごく面白かった。袋小路の家に住む男を好きになって、プラトニックな関係のまま、自分がその男にとってどういう存在なのかと思いながら、呼ばれるといそいそと出かけていく、別の男と付き合っても、結局は袋小路の男に気持ちが戻っていく、そういう話。人を好きになることの真髄みたいな物語で、いいなあこういうの。サバサバとした文体もいい感じ。リズミカルなのかな。新宿が何度か出てくるところも懐かしくてうれしくなりました。一緒に収録されている「アーリオ オーリオ」もなかなか。スパゲッティが食べたくなります。ちなみに、袋小路の男は川端康成文学賞を受賞しているそうです。
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