2007年05月28日

いらっしゃいませ ─ 夏石鈴子

いらっしゃいませいらっしゃいませ
夏石 鈴子

by G-Tools


なんとなく受けた出版社に合格し、決まった配属先が受付係。早出のときはほかの社員よりも早く出社し、鍵を開け、各フロアに電気を付ける。休憩のときのお茶の入れ方とか、各部署に郵便物を配る手順とか、細かくて小さな決まりごとを守りながら、出版社といういわゆる“業界”の中の、“業界人”には数えられない地味な仕事を、手を抜かずにきちんと勤める女子新入社員の1年間の物語です。

地味だけれど「きちんとやる」。誰も見ていないけれど「手を抜かない」。来客した中年の男性に会いたいと誘われても、浮かれたり動じたりすることなく、仕事をこなす。主人公のその姿勢は、とてもカッコいいです。

同じ受付で働く数少ない同僚たちのことや、社内の人々の噂話などを聞いても、胸の中に収めて騒ぐこともない。気持ちの浮き沈みが激しい私には、こんな主人公のあり方に憧れます。若いのに、えらいなあ。

鈴木マキコのペンネームで「新解さんの読み方」を書いた夏石鈴子さんの作品を読むのは、これが初めてでしたけど、とても面白かった。ファンになりました。
posted by ちー at 09:17| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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