2007年06月22日

にごりえ他:樋口一葉,伊藤比呂美

にごりえ 他 (河出文庫 現代語訳・樋口一葉【全5巻】)にごりえ 他 (河出文庫 現代語訳・樋口一葉【全5巻】)
伊藤 比呂美

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伊藤比呂美による現代語訳の「にごりえ」、「この子」、「裏紫」。伊藤比呂美の訳ということで、どんな文章になっているか楽しみで読んでみました。

3作品とも、普遍的なテーマが題材で、ああ女って昔っからこうなのね、と思わされる物語ばかり。面白かったです。「にごりえ」は青空文庫の文語体のと見比べながら読みました。確かに文語体は読みにくい!でも、言葉遣いのきっぷの良さというか、ぐいぐい物語の中に引き込む力が、樋口一葉にはあるみたい。そんな雰囲気を、伊藤比呂美も上手にすくいとって書き起しているなあ、と思います。

どれも身につまされる内容なんだけれど、特に「この子」にはドキッとしました。小さな猜疑心、不信感から、家庭の中がうまくいかなくなる、その心模様が手に取るようにわかります。でも、子を持ったことで気づくんです。気づいて賢くなった女のお話です。

「にごりえ」に登場する商売女のお力も、そのお力に入れあげて身上をつぶした源七にくどくどと説教する女房・お初も、「この子」の気づく女も、「裏紫」の優しい夫を裏切る“あたし”も、どの女も自分の中にいるみたい。だから身につまされるんだな、きっと。
posted by ちー at 09:08| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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