2008年06月01日

袋小路の男:絲山秋子

袋小路の男袋小路の男
絲山 秋子

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絲山 秋子さんのことは、何かの賞を受賞されたときの新聞の書評を読んで、いつか読みたいと思っていた人。エッセイを借りてきた時には挫折して読みきれなかったのだけど、「袋小路の男」はすごく面白かった。袋小路の家に住む男を好きになって、プラトニックな関係のまま、自分がその男にとってどういう存在なのかと思いながら、呼ばれるといそいそと出かけていく、別の男と付き合っても、結局は袋小路の男に気持ちが戻っていく、そういう話。人を好きになることの真髄みたいな物語で、いいなあこういうの。サバサバとした文体もいい感じ。リズミカルなのかな。新宿が何度か出てくるところも懐かしくてうれしくなりました。一緒に収録されている「アーリオ オーリオ」もなかなか。スパゲッティが食べたくなります。ちなみに、袋小路の男は川端康成文学賞を受賞しているそうです。
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2008年05月26日

ことばの食卓:武田百合子

ことばの食卓 (ちくま文庫)ことばの食卓 (ちくま文庫)
武田 百合子 野中 ユリ

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Village Vanguardという雑貨屋のような本屋さんがあって、わりと偏った本の品揃えが面白くて気に入っています。そこで見つけた本。

武田百合子さんというのは、小説家の武田泰淳の奥さんで、後年はエッセイストとして活躍された方だそうです。武田泰淳氏の小説も読んだことがないし、百合子さんのお名前も店頭ではじめて目にしたわけですが、この本の最初の「枇杷」という作品をちらちらと立ち読みしたら、もう欲しくなってしまいました。

病人で歯も失っていたダンナさんが枇杷をおいしそうに食べたときのエピソードを綴ったもので、それがとても艶かしくて、その食卓に一緒に座って眺めている気分になります。

野中ユリという人の画も、なかなか目を引きます。澁澤龍彦本の画なんかも描いていた人らしいですが、なるほど。ひきつけられる画風で、文章と重なって印象的。川上未映子さんもファンなんですね、知らなかった、へー。
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2008年05月25日

おひとりさまの老後:上野千鶴子

おひとりさまの老後おひとりさまの老後
上野 千鶴子

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上野千鶴子さんの歯切れのよい文章やものの考え方はわりと好きで、店頭で見て迷わず購入したんです。歳をとって独りで暮らすことになる確立は、結婚している私でも50%はあるわけで、内容もおおいに気になるところだし、上野さんなら心を奮い立たせてくれるような言葉が並んでいる気がして。

「孤独に強くなる」その具体的なアドバイスはなるほど、ふむふむ。私には圧倒的にネットワークが不足しているな、とか、金銭的な不安はあるよね、と自分に照らしてチェック。介護されることになったときの心構えなどは、自分の母親を見ているとつくづく同感するところあり。

それにしても上野千鶴子さん。「私はジェンダーフリーは唱えているけど、別にフェミニストでもなんでもない」と言っていなかったっけ。なんだか文章の隙間に、強烈な「男ってやつは…」調を感じてしまって、なんとなく脱力。私のモノの見方が変わったのかな…。
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『悲しみが乾くまで』

『悲しみが乾くまで』公式サイト
監督:スサンネ・ビア
出演:ハル・ベリー、ベニチオ・デル・トロ、デヴィッド・ドゥカヴニー

アフター・ウェディング』『ある愛の風景』でハマったスサンネ・ビア監督の初のアメリカ映画。ある日突然の夫の死によって、残された妻が喪失感に苦しみながらも、少しずつその死を受け入れていく物語。

突然死んじゃう夫を、「X-ファイル」シリーズのデヴィッド・ドゥカヴニーが演じていてビックリしましたが、物静かな中にも情熱を秘めた“善人”を淡々と表現していて、なかなかよかったと思います。どっかのサイトでは、この配役が軽すぎてダメダメと書いてあったけど、私は落ち着いた存在感で夫のいなくなった哀しみを一層引き立てていたように感じました。感じ方って人それぞれですね^^;

妻(ハル・ベリー)は、夫の存命中は忌み嫌っていたヤク中の大親友(ベニチオ・デル・トロ)と、大切な人を失った喪失感を共有するように距離を縮めていく。そうした中で、ゆっくりと「彼の死」を受け止められるようになり、そこから立ち直ろうとする過程を、丁寧に描いています。

映画館で泣くのは恥ずかしいから、いつも「泣かない」と思って力をいれるけど、今回は「どうして夫なの?あなたが死ねばよかったのに」のところで泣いてしまった。言ったほうも、言われたほうも、つらくて切ない場面ですね。。。
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2008年05月24日

天使の卵:村山由佳

天使の卵(エンジェルス・エッグ)天使の卵(エンジェルス・エッグ)
村山 由佳

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確か、直木賞なんかもとっていて、最近本屋さんでもよく見かける“気になっている作家”だったので、図書館で借りてみた。この作品で「小説すばる新人賞」をとっているんですね。サラサラと読めて楽しめる内容でした。最後のオチが、あまり好きではないのだけど、まあそれはそれで劇的でいいのかもしれないです。映画になりそうなストーリーだなあと思っていたら、やっぱり映画化されていました。キャストが市原隼人くんと小西真奈美ちゃん、小西真奈美ちゃんの妹役が沢尻エリカだって。ちょっと、イメージ違うかな、というのが逆に見てみたい気になります。
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2008年05月01日

恩田陸さんについて

ときどき「すっとこどっこい」な勘違いをする私ですが、
今日は大変ショックな勘違いに気がつきました。

図書館に行ったのです。
そこで、10人の女性小説家にインタビューした本を手にとりました。
小説家の名前がずらっと並んでいる先頭に「恩田陸」。

え…。

私は今日のこのときまで、
ずーっと、恩田陸さんは男性だと思い込んでいました。
強烈なショック。何かの間違いかと思い、
ページをめくって著書の顔写真を拝見し、
腰が抜けそうになりました。

実は同様に男性だと思っていた人がいます。
「銀色夏生」さん。
この場合、頭の中で「関川夏央」さんと「銀色夏生」さんが
いっしょくたになっていたからでした。
銀色さんが女性だと知ったときも、軽くショックでしたが、
今回のショックは…orz
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2008年04月29日

『ある愛の風景』

ある愛の風景

『ある愛の風景』
監督:スサンネ・ビア
出演:コニー・ニールセン、ウルリッヒ・トムセン、ニコライ・リー・コス



アフター・ウェディング」と同じ、スサンネ・ビア監督作品。

家族という閉じた空間の中では幸せのはずなのに、外からの要因でその幸せは簡単に壊れてしまう。幸せなときには分からないけれど、外圧が加わり、苦しみが襲うときに、はじめて「愛」は発揮されるのかも。そんな映画です。

戦地で強いられる選択が衝撃的。今、アフガンやイラクで行われていることを、あらためて考えさせられます。人って恐ろしい…。
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2008年01月25日

『めぐみ-引き裂かれた家族の30年』

めぐみ-引き裂かれた家族の30年めぐみ-引き裂かれた家族の30年
ドキュメンタリー映画 クリス・シェリダン パティ・キム

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「めぐみ-引き裂かれた家族の30年」公式サイト
監督:クリス・シェリダン、パティ・キム
出演:横田滋、横田早紀江、増元照明、アン・ミョンジュ

GyaOの「映画」で、1月28日まで公開されています。ぜひ、見てください。

いま、娘がちょうど、めぐみさんが拉致されたのと同じ、13歳です。その娘が、部活を終えても帰ってこないとしたら。学校に迎えに行くと部活は終わっていたとしたら。夜になっても次の日になってもかえってこないとしたら。そして、それから30年もの月日が経ってしまったら。その絶望的な気持ちを思うと、涙が出てとまりません。

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2008年01月19日

『マイ・ハート,マイ・ラブ』

マイ・ハート,マイ・ラブマイ・ハート,マイ・ラブ
アンジェリーナ・ジョリー ショーン・コネリー ウィラード・キャロル

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監督:ウィラード・キャロル
出演:ショーン・コネリー、マデリーン・ストー、アンジェリーナ・ジョリー、
   ライアン・フィリップ、ジリアン・アンダーソン、アンソニー・エドワーズほか

私はテレビで放映される映画で気になるものがあると、HDDに録画して観ています。これもNHK衛星映画劇場でやってたのを録画したまま、ずっとほったらかしにしてたヤツ。今日、やっと観ました。

結婚40周年のカップルと、夫婦仲が冷えて妻は不倫に、夫は演技の勉強に忙しいカップル、最初の夫がゲイだったと分かって離婚して以来、恋愛に臆病になっている女、傷ついた青年と恋に落ちる娘、末期エイズで死の床にある男とその母親。バラバラの登場人物たちのそれぞれの物語が、オムニバス映画みたいに描かれて映画が進みます。そして最後に、その登場人物たちが同じ画面の中で踊るシーンで終わるという、なんとなくそれがホッと優しい感じの映画です。

X-FILEシリーズのジリアン・アンダーソンとか、ERシリーズでグリーン先生をやってたアンソニー・エドワードとか、見知った顔が出ていて楽しかった。なんといっても、カクテルをぐいぐい飲みながらベラベラとよくしゃべる女の子を演じてたアンジェリーナ・ジョリーがすごい可愛い。2000年の製作だから、注目され始めた頃かな。どこかにナスターシャ・キンスキーも友情出演でちょこっと顔を出していたらしいんだけど、気がつかなかったので、あとでもっかい確認してみようと思います。

最初にも書いたけど、これってNHK衛星映画劇場を録画したのを見たんだけど、衛星映画劇場って最後に出演者を日本語で紹介する画面があるでしょ。映画のクレジットでは、ショーン・コネリーとかに続いてジリアン・アンダーソンだったんだけど、テレビの日本語紹介ではソーン・コネリーとジーナ・ローランズ(たぶん)と、マデリン・ストーだったな。アンジェリーナ・ジョリーでもジリアン・アンダーソンでもなく。なんでだろ。
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2008年01月14日

「ホテル・ルワンダ」再び

ホテル・ルワンダ プレミアム・エディションホテル・ルワンダ プレミアム・エディション
ドン・チードル ソフィー・オコネドー ニック・ノルティ

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夕べ、NHK衛星放送で「ホテル・ルワンダ」をやっていました。
家族で観にいった映画だったので、娘も覚えていて、「あのコワイ映画だ。見たあと、とんかつ食べに行ったの覚えてる」なんて、余計なことも思い出したりして。

一度見た映画をテレビで見ることはあまりしない夫が、珍しく見ていて、結局娘と私と夫の3人で最後まで見てしまった。

前に見たときにはきっとスルーしてたんだと思うけど、赤十字の女性が「種族を絶やすために子どもが狙われている」と、子どもの保護を訴える場面がありました。「サラエボの花」でも、種族を絶やすために男と子どもは殺され、女性はレイプされたんでした。そしてサラエボ紛争も、このルワンダ内線と時期を同じくしていたことに気がつきました。

種族を根絶やしにしてしまいたいと思うほどの憎しみって、なんだろう。どこから沸いてくるのかな。

posted by ちー at 07:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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